外資系コンサルの知的生産術~プロだけが知る「99の心得」~ (光文社新書)
の読書録の続きです。前回は仮説検証の進め方をテーマにしました。
刺さったフレーズ
まずは自分に刺さったフレーズのご紹介です。
論理性だけでは生み出す解は他者と変わるところがなくなり、差別化という側面で競争優位を形成することは難しい。つまり、創造性というドリルを駆使するためには、論理性という地図を用いて掘り下げるべきポイントを明確化することが必要なのです。
外資系コンサルの知的生産術~プロだけが知る「99の心得」~ (光文社新書)
私はこの一文をから堀分析は創造性が問われる仕事なんだと解釈しています。
ドリルダウンって言葉よく使いいますよね?これが創造性のドリルととらえられる。
つまり、我々がよくやる深掘り分析というのは創造的な分析なのです!!(言い過ぎ?)
実際に業務に活用するという意図でもう少し意訳すると、論理性という地図=KPIそのもの、創造性というドリル=KPIの変動の解釈/仮説(深堀仮説)と考えます。
※以後では解釈=仮説=深堀仮説として記します。日本語的な読みやすさを優先して表記ゆれしてますが、悪しからず。
KPI指標は整理されたものが所与のものとして存在するという前提で、創造性を発揮するための深堀仮説の作り方について書いていきたいと思います。
(KPIは売上=客数×客単価みたいに論理分解されていれば全然OKだと思います。イケてるKPIを作るのは一大テーマなので別の機会にやります。)
大まかにいえば、KPIを眺めて上がった・下がっただけ把握しても意味がなくて、なぜ上がったか、なぜ下がったか、なぜ変わらないのかということに対して解釈(=要因に対しての深堀仮説)をすることをします。
私は以下の二つにこだわって分析しています。
- KPIの変動を虫メガネを除くように観察すること
- 小さな変動に対して解釈すること
KPIの変動を虫メガネで観察しよう
自分もそうでしたが、KPIを時系列でマクロに眺めていても、「上昇・下降トレンドである」、「横ばい傾向である」みたいな話しだけしていきなりアクションンお話をする報告ってそこそこあると思います。
単にファクトを述べて、やりたいことを言っているだけで、つながりやストーリーがありません。
データドリブンにPDCA回している振りをしています。
変動を虫メガネで見ると、毎時点で全く同じ変化率で変動しているケースは絶対にありません。
細かく見ると上昇率は時点によって微妙に異なるとか、横ばいだがある時点だけは少し上がっているとか、そういうケースばかりです。
この小さな違いに対してなぜなのか?と問うことが大事です。
時間はかかりますが、時間をかけるべきポイントです。
「なんとなく気になる軸を入れて深堀分析しました。」
というような、ケースをよく見かけますが全然創造的じゃないのでやめましょう。笑
KPIの変動に徹底的に向き合って変動要因の仮説を出すほうが有益です。
変動を解釈して、アクションにつながる問/仮説を出そう
KPIの変化をファクトとしてとらえたら、その変化がなぜ起こったのかの解釈をしましょう。
「例えば、XX月にKPIが上がった(下がった)のは〇〇が要因と考えられる。」という感じです。
ぶっちゃけるとそんな簡単にイケてる解釈はできません。
なので根気強くやるということを前提で、二つのアプローチで考えています。
一つ目は簡易分析を回すことです。
ダッシュボードが整備されているなら、思いついた小さい仮説を荒っぽく検証(仮説のフィージビリティの検証)して要因を洗い出すします。
一歩目の仮説は当たり前のことでいいです。
例えば店舗/webでの流入が増えた/減ったのでは?〇〇のCPの効果が出ているのでは?とかです。
アクションや意思決定につなげることを意識すると、さらに一歩踏みこみが必要です。
なんで店舗/webでの獲得が増えたのか?〇〇のCPは過去のCPと比較して獲得効率は良かったのか?というような問を作っていくイメージです。
二つ目はクイックに分析を回せない場合は、定性的な情報の活用です。
アクセスできる資料(例えば施策カレンダーとか)から仮説を出したり、ビジネス側の人にもヒアリングするアプローチも良いと思います。
そこから、実際のデータを使って検証をしていく形になります。
まとめ
やっていることは泥臭いですが、細かく理解しない限り期待値を超える示唆や仮説は出てこないものです。
また、データ分析を生業とするならば数字で事業を理解・解釈するというところは、ビジネスを回している人よりも詳しくなるのがプロフェショナルだと思います。
以上、刺さったフレーズと活用についての考察でした。読書でキャリアを開拓しましょう!
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