Hot pepper ミラクル・ストーリーを読んだ後の反省会 part2

ビジネスの本

こんにわ!kofaです。

この本の読書録の続きです。

Hot Pepperミラクル・ストーリー―事業マネジメントを学ぶための物語

前回も述べた通り、データサイエンティストとしての専門的な業務という観点、マネジメントなどのジェネラルな業務という観点、それぞれに対して示唆がふんだんにあったので、本書からいくつかのフレーズを抜粋して、反省文的な読書録書いてみました。

ご興味あれば、前回の記事も併せて読んでいただけると嬉しいです!

クリエイティビティを奪っていないか?

人のクリエイティブをさらに上位概念に引き上げるために仕組化がある。人がより高度な価値を作り出すために、その価値づくりに集中して価値を磨いていくために仕組み化が行われる。決して、誰でもできるようにして誰でもいい、人に頼らないものにしてはならない。それは仕組みとは言わない。マニュアル化という。この勘違いは多く存在する。その間違った考え方が仕組み化を非人間的なものと間違って理解させてしまう。その勘違いはヒトの仕事をただの作業にすることで、商品サービスを腐敗させて、組織を崩壊させてしまう。

Hot Pepperミラクル・ストーリー―事業マネジメントを学ぶための物語

例えばをマーケティングでビッグデータ分析するみたいなことを考えたときに、仮説を洗い出すことであったり、分析用のマートを作ることであったり、やることの要素があると思います。

その要素をプロセスなりのなにがしかのフレームで関連付けたものがパッケージであり、仕組みと考えています。

イメージしていただくのが少し難しいかもしれないので、具体的な内容は実際にを読んでみていただければと思います。

いずれにせよ、仕組み化を考える時に抽象度を持たせておくことが大事で、抽象度合いが人間が考える余白であるというとらえ方ができます。

この抽象度というのが私にとっての学びのポイントでした。

誰かに指示をしたり、お願いしたりするときに渡す情報の具体性を高くすることを結構意識します。

定型的な業務であればそれは正しいのかもしれませんが、定型的でない業務においては創意工夫を生む余地を少なくして、独りよがりな考え方を押し付けているに過ぎないのではないかという反省がありました。

具体性はほどほどに相手が考える余白を残しておくこと、余白の大きさは相手のレベルを見て調節する事、調節を間違えて余白が大きすぎたら巻き取ること、という3点を実践することから始めようと思います。

将来を見据えて考えることができているか?

停滞している組織は「自分たちは最善を尽くしている」と思っている。「前年よりも少しずつ伸びているじゃないか」「この事業はこれぐらいの規模で、その割に俺たちはよくやっている」そんなふうに思い込んでいる。そう思うことで、納得している。自らを納得させている。でも、考えている基盤は今自分が立っているその場所だけだ。この保守的な既成概念を破らなければ革新的な成長はできない。そのためには過去との比較をやめることだ。過去と現在の比較ではなく、現在と未来の比較をすることだ。未来とは「そもそも、このマーケットはどれくらいあるのか?」から考える。

Hot Pepperミラクル・ストーリー―事業マネジメントを学ぶための物語

未来と現在の比較という観点では、将来予測シミュレーションついて考えたいです。

将来予測シミュレーションは分析者の方々にとって眉唾ものだと感じるかもしれませんが、真剣に取り組む価値のあるテーマだと思っています。

もちろん、これまでのトレンドを模倣するだけみたいな、適当なシミュレーションは何の示唆も無いのでやる意味はないです。

シミュレーション結果からではどうするか?を考えるためにはシミュレーションしたい指標についての構成要素や、変動要因を細かくパラメタ化して、ロジックとして再構成するという大変な作業をする必要があります。
参考文献外資系金融のExcel作成術―表の見せ方&財務モデルの組み方

さらに言えば、シミュレーションを使ってもらったり、その結果から意思決定してもらうためには、関係者を納得させるというような、説明責任的なものも付きまといます。

何が言いたいかといえば、結構大変ですってことです。

それでもなおやる価値があると言える理由は、シミュレーションは未来志向の分析であり、将来を見据えた意思決定の強い根拠になる数少ない分析だからです。

家計シミュレーションを例に話をします。(矮小な例ですいません)

私は結構細かく収支をいじれる家計シミュレーターを自作して、運用しています。
※ネットに落ちているのより、細かくパラメタをいじりたかったので

何がいいかというと、今の自分の行動は将来どう積み重ねっていくのか、もしくは、将来の自分の意思決定(転職など)は家計にどう影響があるのかなど、現在の行動、将来の意思決定が将来に与える影響を定量的な数字として評価できる点にあります。

この情報があれば、将来を見据えた意思決定が感情(特に不安)に左右されにくくなりますし、勘に頼る必要もなくなります。

私がシミュレーションを実施して、意思決定したことについては例えば以下のものがあります。

  • お小遣いを市場平均まで増やすこと
  • 今の仕事をやめる時期を決めること
  • 次の仕事はどれくらいの給与水準まで下げるかの基準を決めること
  • 何歳までサラリーマンとして働くかを決めること
  • 夢を一つあきらること
  • 新しい夢を一つ決めること

しょぼいと思われるかもしれないですが、自分にとっては大きめな意思決定でした。笑

家庭の収支に影響のあることで新たにアクションをとることや、漠然と継続することことに対して、なんとなーく不安に感じることはあります。

シミュレーションでは今の行動や、未来に取ってみたい行動が将来の数字にどれくらい影響するのかということが(目安として)わかります。

定量的な目安がわかることで、なんとなく不安だから惰性で続ける、なんとなく不安だからチャレンジしない、というような感情的な意思決定をしなくなります。

意思決定に感情や勘の張り込む余地が減って、過度に保守的にならずに済んで、とるべき行動をとれるようになるというのは、多くの人がそうしたいと望んでいることではないでしょうか?

本当にPDCAを回せているのか?

大切なのは打った結果の数字ではない。いかなる意思を込めて目指す数字を立てて、それを実現するためにいかなる見通し持ち、いかなる手を打つかを計画することだ。そして、その計画と現実の結果がどれだけ乖離したかがわかり、その原因を考えなければならないことを要求する数字のオペレーションが大切だ。

Hot Pepperミラクル・ストーリー―事業マネジメントを学ぶための物語

一つ前の将来予測シミュレーションの話と合わせて考えたいです。

将来予測シミュレーションというのは、予測したい数字を要素(パラメタ)に分解して、そのパラメタに対して前提や仮定を置くことでロジカルに算出される値です。

一方、フレーズの中にある「意思を込めて目指す数字」というのは、損益分岐点、経験と勘に基づく見立てなどを複合的に加味して導出される定性的な目標値と理解できます。
※「厳密にロジカルではない」という意味で「定性的」という言葉を便宜的に使っています。

よってもって、将来予測というロジカルな数字、目標値という定性的な数字、この二つの数字を使ってPDCAを回すのが大事であると私は理解しています。

さて、実績の数字として結果が出たときに、なぜその結果になったのか?を最初に問うことになります。

なぜその結果になったのか?に答えるための補助線として将来予測値と目標値が活用できます。

将来予測値と実績の乖離という観点では、もともと考えていたパラメータ群の前提、つまりは市場構造など取り巻く環境の構造の変化に要因を求めることになります。(ロジカルな数字の検証)

一方、目標値と実績の乖離という観点では、目標の数字を作るための活動の効果に要因を求めることになります。(定性的な数字の検証)

実際としては二つの要因の重ね合わせ的に結果が出てくるものと考えられるので、それぞれの切り口の要因に関連する数字をモニターして、その変動を解釈していくことになります。

ここまでを定期的に、かつ、タイムリーにやり切ることで、本当の意味でPDCAを回せていると言えると思いますが、これをやり切るのは中々大変です。

そして、大きな落とし穴は二つあるのかなと思います。

一つ目はロジカルな数字(予測値)、定性的な数字(目標値)の精度が著しく低いケースです。

この二つの数字と実績のずれの要因を検証したいのですが、ずれるのが当たり前となっているとPDCAもクソも無いとなってしまいます。

もう一つは、予測値に対しての検証と、目標値に対しての検証のアンバランスさです。

施策の打ちっぱなしという言葉が一般にあるように、施策の検証はないがしろにされがちです。

目標値と実績値の乖離要因の検証が一般的に足りていない言えることになります。

それはつまり、「この実績になった大まかな理由はわかったが、で次に何するの?」という問いに対して、データ分析に基づいた回答や示唆が無いという事態が起きやすくなっていることを示しています。

これらに対して飛び道具はないので、理想のPDCAの青写真を描いて、それに向けて足りない要素を一つずつ着実にクリアしていくということしかないです。

まとめ

今回は仕組み化の話、将来予測の話、PDCAの話をしました。

この本を読んでいて気づいてしまったのは、最近は挑戦していないなということです。

仕事にこなれてきた方にはこの本を読んでもらって、若かりし頃の情熱をたきつけられちゃってください。笑

以上、刺さったフレーズと活用についての考察でした。読書でキャリアを開拓しましょう!

コメント

タイトルとURLをコピーしました