「Humankind 希望の歴史」の偏った要約

一般教養の本

この本読みました。

Humankind 希望の歴史 (全2巻)

わたしたちは、困っている人がいたら手を差し伸べたり、友達の相談に親身になったり、いい奴な行動を取ります。

一方、誰かを仲間はずれにしたり、暴力的になってしまったりと、悪い奴な側面もあります。

悪い奴なのではないかという仮説は心理学の分野で検証され、人間の本質は利己的である、残虐性が生来備わっているなどが示されてきました。

この利己的な人間という結論に対して、本当にそうなのか?違うのではないか?

と、問を投げかけているのが本書です。

「利己的である人間」の拠り所になっている研究がでっち上げだったことを検証したりして、どうやら人間は良い奴であると考える方が現実的だということを示します。

私が読んだ本の中でも、利己的であることを主張したり、それを示す研究を引用したりするケースも多くありました。

その事実を信じていましたがひっくり返されたということで、自分の人間観がバージョンアップできた事がすごく嬉しいです。

また、これまで正しいとされできた考えをひっくり返していく様はストーリーとしても面白く、次のページに行くのが楽しみでしょうがなかったです!

まるで小説のように楽しめました。

今回は素晴らしい一冊に出会えたということで、全体的な要約しました。

また、特に面白かった章については詳しくレビューしてみました!

ざっくりと要約

本書は大きく分けると4パートからなっています。

  • 人間は善き人なのではないか?
  • 人間が悪い人という言説は本当なのか?
  • 善き人だとしたら、なぜ悲劇的な事件は発生するのか?
  • この現実に立脚したときに、どう社会を作り、どう生きていくべきなのか?

人間は善き人なのではないか?

序章で、第二次世界大戦(イギリスとドイツ)の事例を引用して、群集心理の人間像を否定します。

ドイツ軍は「空爆によってイギリス市民の混乱と暴動を引き起こし、イギリス軍隊はその鎮圧に迫られる。その結果、イギリスは機能不全に陥る」というストーリを描きました。

空爆の結果は?

ドイツ軍が描いたストーリーとは逆の展開で混乱と暴動は起こりませんでした。

イギリス市民は勇敢さ、ユーモアさ、寛大さを保ち続けました。

「空爆によって混乱が引き起こせる」という考えは、危機が引き出すのは人間の最悪の部分であるという「群集心理」に則っていたわけですが、そうはならなかった。

であるならば、群集心理が描き出す人間像というのはそもそも間違っていたのではないか?という結論が導きだされます。

これだけではなく、他にも以下のような事例を紹介しています。

  • 生まれついての利己的なヒト族だから生き残ったのではなく、人なつっこく・協力的なヒト族だから生き残った
    (チンパンジー、オラウータン、人間(2歳児)の知能テスト、狐の遺伝実験より)
  • 人はよそ者に対して冷酷ではない
    (太平洋戦線で銃を撃ったことのある兵士は全体の15~25%)
  • イースター島には原始的な人食いは存在しなかった
    (人口が激減しその理由が飢饉→内乱→人食いという通説は誤っていた(ウィルスだった))

人間が悪い人という言説は本当なのか?

人間は生来利己的であるとか、ホッブス流の自然状態(万人の万人に対する闘争)という説とは異なる事象が起きているということが見えてきました。

善人であるという説をさらに推し進めるためには、利己的であることを証明した心理学実験と対峙していく必要があります。

つまり、その心理学実験の結果は本当に正しいと言えるのか?と著者は問います。

有名な実験としてスタンフォード監獄実験というのがあります。

被験者は看守と囚人に分かれてそれぞれの役割をこなしますが、看守役が非人道的なことをやってのけ、実験は制御不能になりました。

そして、その過程で人間の本性に関する残酷な真実が明らかになりました。

スタンフォード監獄実験に対しての考察は、非人道的な行いはその人の性質ではなく、環境がそうさせたというものでした。

善良な少年であっても、機会さえあれば暴君に変わることが示されたということです。

というような理解で今まで色々引用されてきたスタンフォード監獄実験でしたが、怪しい実験条件で実施されていたことが示され、インチキだったことが暴かれます。

その他にも、ミルグラムの電気ショック実験も作為的な実験だったことや、キティの死も報道に偏りがあったりしたことが明らかになっています。

人間の本性を否定的に考えるような代表的なファクトは、信じるに足らない怪しいファクトだったということが示されます。

善き人だとしたら、なぜ悲劇的な事件は発生するのか?

善人が悪人になる理由がある。それが結論です。

戦場において、善人が悪人になる理由のロジックは以下の通りです。

  • 人は道徳よりも身近なもの(共感)を優先する
    例)助かる命の最大化よりも、身近な人の命が救われることを優先してしまう
  • 裏を返せば、身近でないものは見えなくなってしまう。
  • 徹底的に共感しづらい状況を作れば、悪人的な所業をさせることが可能
    例)遠距離攻撃の武器の開発

という感じです。イデオロギーとか関係ありません

想像つきますが、兵隊のみんなが心理的距離を遠くしないと悪人的な行動をとれないよ、と言って、ボトムアップ的に遠距離攻撃の武器を開発したわけではありません。

そこには指導者的立場の人がいるわけで、なぜそういった悪人的指導者に盲目的に従ってしまうのか?などの問いについても解き明かされています。

この現実に立脚したときに、どう社会を作り、どう生きていくべきなのか?

ここまでの結果から、性善説に立脚して考えるのが現実的だよね?ということがわかりました。

そういった現実に則た時にどう社会を作り、どう生きていくべきなのか?というのを事例を用いて解説しています。

事例としては以下の感じです。

  • ルールや安全規則のない公園
    →廃品だらけの公園、子供の心身の健康の改善
  • クラス分け、教室、宿題、成績のない学校
    →あるのは遊びとコーチ、ないのはルール、いじめなし・うつ病なし
  • アラスカで行われた永久基金配当金
    →石油の収益をそのまま住民に配当、貧困の解消し資金は教育に流れた
  • リゾートみたいな刑務所
    →高級リゾート並みの設備がある刑務所、再犯率は世界最小
  • ゲリラに武器を捨てさせた広告企業
    →ジャングルの真ん中にクリスマスツリー、2万人のゲリラ兵が数年で半分以下に

偏った要約

ここでは、私が興味深いと思った章について、もう少し詳しくレビューしたいと思っています。

(どうでもいいですが、興味深く読んだ=アンダーラインした箇所が一番多かったとなります。)

なんとなく、つらつら述べるよりも分析っぽく以下のフレームで要約していきたいと思います。

  • その章でどんな問が立てられてたか?
  • それに対しての仮説は何だったか?
  • それに対してのファクトは何だったか?
  • 仮説は支持されたか?その解釈は?

第8章 「ミルグラムの電気ショック実験」は本当か

「ミルグラムの電気ショック実験」とは?

ミルグラムの電気ショック実験ってなんやねんって人向けに簡単に内容のご紹介です。

これまでの結論

この実験によって示された結論は、「人間は生まれつき致命的な欠損があり、そのせいで、子犬のように従順に振る舞い、きわめて恐ろしいことで平気でする」というものです。

被験者の65%は苦痛を与えよ、という命令に無批判に従うという記事がニューヨークタイムズに掲載されました。

実験の内容

記憶力のテストという設定で、登場人物は研究スタッフ、先生役(被験者)、生徒約の三名。

生徒役が記憶力のテストを間違えると、研究スタッフは先生役(被験者)に電気ショックが流れる(実際は流れない)スイッチを押すように指示をし、先生役(被験者)がスイッチを押す。

電気ショックは15ボルトから始まり、最大出力は450ボルトで、問題に間違えるたびに出力を上げていく

高い電圧(実際には流れない)でスイッチを押すと生徒役は金切声を上げるような演出をする。

先生役(被験者)が指示に従う出力の最大値を観測する。

この章での問

この章で提示された問は二つです。

  • 「ミルグラムの電気ショック実験」はインチキだったのか?
  • 権力に屈した人が(無視できないほど)多いのはなぜか?
「ミルグラムの電気ショック実験」はインチキだったのか?

ここでは二つの仮説を検証しています。

  1. 仮説
    • 台本通りに動こうとしない被験者にプレッシャーをかけたのではないか?
  2. ファクト
    • 録画記録から、被験者により高い電圧のスイッチを押させるために、しつこく(8回も9回も)そうするように求めていたこと。
  3. 解釈
    • 仮説は支持。
    • 明らかに過度なプレッシャーがあり、実験結果に対して作為があった事が伺える
  1. 仮説
    • 被験者が、自分は本当に電気ショックを与えてると思っていなかったのではないか?(だから、スイッチを押すことに抵抗がなかったのではないか?)
  2. ファクト
    • ミルグラムの資料から被験者が疑っていることを示唆する言葉が、いくらでも見つかる。
    • 被験者へのアンケートで、「この状況をどれだけ信じられると思いますか?」という設問に対して、本当に生徒役が苦しんでいると思ったと回答したのは56%に過ぎなかった。
  3. 解釈
    • 仮説は支持。
    • イェール大学のような名門校の科学者が見守る中で、罪もない人が拷問され殺害されるという状況を疑うことはいたって正常なことと考えられる。
    • 一方、このインチキがあったと認めたとしても、権威に屈した人が多すぎるため、別の要因があるものと想定される。
権力に屈した人が(無視できないほど)多いのはなぜか?
  1. 仮説
    • ミルグラムの服従実験が調べたのは「人が権威に服従するかどうか?」とは別の問だったのではないか?
    • そして調べたのは、「善行であると思いこめば、悪事を働くか?」だったのではないか?
  2. ファクト
    • 実験者が高圧的になるにつれて、被験者がいっそう服従しなくなる。
    • 平凡なオフィスで実験を行う場合と、イェール大学という高尚な環境で行った場合とで比べると、平凡なオフィスの方が協力の度合いが落ちる。
    • 「この実験は、あなたが続けることを必要とします」というような、科学的目的を示唆する命令(刺激)が協力を得るのに効果的だった。
    • 実験を終えた被験者の中には、科学にの発展に貢献出来て嬉しいという旨の発言をしている人がいた。
  3. 解釈
    • 仮説は支持。
    • 高圧的になると服従しなくなるという事実から、無分別に権威者の命令に従うわけでは無いと理解できる。
    • 悪事(電気ショック)を行わせるには、それを善行(科学の発展への貢献)であるかのうように偽装すれば良いのではないか。

まとめ

「ミルグラムの電気ショック実験」は本当か?という問に対して、まずはインチキなのではないかという仮説から入って、それでも説明できない部分が残り、権力に服従しやすいというメカニズムではなく、善行と思いこめば悪事を働くという別のメカニズムを提唱するに至っている。

初めに立てた仮説が進化していて、理想的な分析プロセスをたどっているなと感じます。

初めに立てた仮説にこだわりすぎないこと、説明しきれない部分が残ってもそれに対してなぜか?を問うこと、そうすることで良いアウトプットが出てくるという事例なのではないかと思いました。

問いは信念に近いので、曲げないことが大事。

仮説は仮の答えなのでこだわり過ぎないことが大事。

ですね。

第10章 共感はいかにして人の目を塞ぐか

この章での問

この章での問いは以下の通りです。

  • なぜ、第二次世界大戦のドイツ兵は懸命に戦い続けるのか?なぜ、敗北を認めて降参しようとしないのか?
  • なぜ、テロリストになるのか?
  • 人は本質的に善なのか?悪なのか?
  • 共感は道徳観を上回るのか?
  • 子供を集団に分けると何が起きるのか?
  • なぜ、残虐的な行いができるのか?

少しバラバラしている感じは否めないので、後ほどロジックとして統合しますね。

なぜ、第二次世界大戦のドイツ兵は懸命に戦い続けるのか?なぜ、敗北を認めて降参しようとしないのか?
  1. 仮説
    • ドイツ兵はイデオロギーに取りつかれてしまっているのではないか?
  2. ファクト
    • ドイツ人捕虜との面談では、イデオロギーに言及したのは全体の5%だった。
    • 多くの捕虜は「友情」がモチベーションだったと語った。
    • ナチの将校は、兵士を団結させるために労を惜しまなかった。部隊に新兵が入ると、全部隊を退却させ、友情を育ませた後に、戦場に放りこむといったことまでした。
  3. 解釈
    • 仮説は棄却。
    • ドイツの軍隊が優れていたのは友情のためだったと考えられる。
    • 友情は、戦争に勝つための武器になる可能性がある。
なぜ、テロリストになるのか?

この問いに対しての仮説は2つです。

  1. 仮説
    • サイコパス、学校に行ったことがない、絶望的な貧困の中で育ったなど、テロリストは平均的な人間とは大いに異なる特徴があるのではないか?(それが説明因子になるのではないか?)
  2. ファクト
    • 自爆した人々の性格特徴データから見られる特徴は以下の通り。
      • 高等教育からほぼ無教育まで存在
      • 富裕層から極貧まで存在
      • 思慮深い人も、愚かな人も存在
      • 信仰心のある人から、無神論まで存在
      • 精神疾患はほぼいない
      • 幼い頃にトラウマを負ったものまれ
    • 自爆した人々の知人・友人は「フレンドリーだった」「感じのいいひとだった」と回答したメディアの記録あり。
  3. 解釈
    • 仮説は棄却。
    • 平均的な「テロリスト」は存在しない、むしろ平均的な人間がテロリストになっていることを示唆している。
  1. 仮説
    • テロリストはイデオロギーに取りつかれてしまっているのではないか?
  2. ファクト
    • アルカイダやイスラム国の指導者は若い頃に急進的なイスラム主義の本を貪るように読んだ。
    • 2013年、2014年にシリアに向かったジハーディストの大半はイスラム教についてほとんど知らなかった。
    • 2013年、2014年にシリアに向かったジハーディストの少数は出発前に「超初心者向けコーラン」を購入した。
    • 2013年、2014年にシリアに向かったジハーディストの四分の三は知り合いや友達に勧誘されて加入した。
  3. 解釈
    1. 仮説は部分的に支持、部分的に棄却
    2. 指導者層にとってイデオロギーは重要だったが、歩兵にとってはイデオロギーが果たす役割はわずかだったと考えられる。
人は本質的に善なのか?悪なのか?
  1. 仮説
    • 人は本質的に善なのではないか?
  2. ファクト
    • 幼い被験者(生後6か月、10か月)に人形劇を見せ、親切な役の人形と意地悪な人形では、親切な役の人形を欲しがる傾向が見られた。
    • 幼い被験者の好み(クラッカーとインゲン豆)と人形(親切、意地悪)を関連付けると、好みが合う人形を選ぶ傾向が見られた。
    • つまり、意地悪か親切かよりも、自分の好み(クラッカーかインゲン豆)に合う人形を優先して選択する傾向が見られた。
  3. 解釈
    • 仮説は部分的に支持。
    • 生まれながらにして道徳観は持っているものと想定されるが、道徳観よりも自分の好みを優先する傾向がある。
共感は道徳観を上回るのか?
  1. 仮説
    • 共感は道徳観を上回るのではないか?
  2. ファクト
    • 不治の病を患う10歳の少女の、シェリの悲しい物語を聞いたあとに順番待ちリストの順番を変える実験では、被験者はシェリに優先権を与えなかった。
    • 同じ物語を聞いた後に、「まだ幼いのに、こんなひどい病気にかかって、彼女はどれほどつらいか想像してみよう」と求められると被験者はシェリ優先権を与えた。
  3. 示唆
    • 仮説を支持。
    • 共感を強く伴った選択(シェリに優先権を与える)は、他の子どもに死をもたらす可能性があり道徳的な選択とは言い難い
    • 共感できる人の数は限定的であるとすれば、他の部分や人は見えなくなってしまう。
    • 共感は特定の人だけにスポットライトを当て、他の部分を見せなくするという形で、道徳的な観点で物事を考えることを弱める方向に作用する可能性がある。
子供を集団に分けると何が起きるのか?
  1. 仮説
    • 片方の集団に対しての偏見が起きるのではないか?
  2. ファクト
    • 赤いシャツを着た子供の集団と、青いシャツを着た子供の集団に分けて生活をすると、自分の色をもう一方の色よりも「かっこいい」とか「素敵」と表現する。
    • 子供に赤か青のシャツを着た(見ず知らずの)子供の写真を見せると、自分と異なる色を着た子供に対しての見方は否定的になる。
  3. 示唆
    • 支持
    • 子供は集団に分けるとグループ意識を持つようになる傾向がる。
    • ある集団のメンバーだというだけで、偏った認識をしてしまう傾向がある。
なぜ、残虐的な行いができるのか?
  1. 仮説
    • 心理的な距離を遠くすることによって、残虐行為をさせる事ができるのではないか?
  2. ファクト
    • 第二次世界大戦のイギリス人兵士の死因は迫撃砲、手榴弾、空爆、砲弾が75%、銃弾、対戦車地雷原が10%、地雷、ブービートラップが10%で、ほとんどが遠隔操作によるもの。
    • ワーテルローの戦い(1815年)、ソンムの戦い(1916年)で負傷した兵士の内、銃剣による負傷者は1%に満たない。
  3. 解釈
    • 仮説を支持。
    • 敵との心理的な距離を十分にとれる武器が戦果を挙げることに貢献している。
    • 戦場において最も難しい行為は人を刺し殺すことで、「戦場で人を殺すことの難しさ」という問題がある。それを、遠隔距離武器の開発によって解決していると解釈できる。

問を結合してロジックにする

問をバラバラにしてしまったので、この章で述べたかった「共感はいかにして人の目を塞ぐか」という問いに対しての回答が見えにくくなってしまいました。

ロジックとしてまとめておきます。

戦場というケースで考えてみると、仲間に対しての共感と、敵に対しての共感という2つの要素が絡み合う形で作用しているのだと考えられます。

  • 仲間に対しての共感の作用
    • 仲間意識が一致団結させる(ポジ
    • 自分とは異なる集団に対しての差別意識が生まれる(ポジ
  • 敵に対しての共感の作用
    • 物理的距離が近い人には共感による自制が生まれる(ネガ
    • 遠距離攻撃による共感の欠如(ポジ
  • その他の作用
    • 生来持っている道徳観(ネガだが共感に負ける
    • イデオロギーや性格特性(影響なし)

ポジ:攻撃を促進する方向
ネガ:攻撃を自制する方向

まとめ

「共感」は肯定的に捉える事が多いですが、道徳より優先してしまうというのは、言われてみれば、確かにそうだなと思います。

家族は最優先に考えている人も多いかと思いますが、その考えがその他大勢の犠牲を生むかもしれない。

(あくまで、かもしれないですよ。)

逆に考えると、道徳観を強く求められる場面では、客観的な立場を貫く事が容易な人に意思決定させるというのが大事なのかもしれませんね。

ところで、すごいしょうもないですが、こうやって分解して見直してみると、根拠の確からしさという観点は少し気になりました。

実験の話と戦場での話をどこまで混ぜ込んで考えて良いのかというのは少し気になるところです。

状況が違えば作用の方向、作用の程度は変わりうるものですからね。

まとめ(何回目だよ)

本書を読んで人間観をアップデートできた事がなによりも良かったことかなと思っています。

スタンフォードの監獄実験、ミルグラムの電気ショック実験をインチキだと示したところは圧巻でした。

説明が難しいんですが、明日からの生活が明るくなるような感覚や、何か勇気づけられた感覚があって、学ぶ以外の要素もある良書だと思います。

それなりに分厚いですが、ぜひ読んでみてほしいです!

読書でキャリアを切り開こう!

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