こんにちわ!kofaです。
この本読みました。
たった一人の分析から事業は成長する 実践 顧客起点マーケティング(MarkeZine BOOKS)
感想
マーケティングについての書籍は学問系、ビジネス系という観点、戦略系、戦術系、施策系という観点で整理できるかなと思います。
この本はビジネス系で、戦略から施策まで一気通貫した内容です。
非専門家である私でもマーケティングの全体像を把握することができ、わかりやすくお勧めです。
同じ時期にマーケティングの本を5冊くらい一気読みしましたが、ダントツでよかったです。
内容としてはスマートニュースを題材にして、業務イメージが湧きやすく好印象です。
同僚にも勧めました、結構評判良かったです。
刺さったフレーズ
N1分析は簡単です。量的調査同様に、スマートニュースや競合Aの認知、使用経験、使用頻度を聞いて、その方が顧客セグメントのどこに属しているかを確認します。そのうえで、そこまでの認知や使用体験に至ったきっかけや理由や生活の中での体験を聞きながら、カスタマージャーニーを理解するのです。
たった一人の分析から事業は成長する 実践 顧客起点マーケティング(MarkeZine BOOKS)
「簡単です」ということで挑戦してしまいました。笑
本書ではユーザーインタビューを想定されていましたが、私は1人のユーザーの行動ログデータ(ウェブ回遊、アプリ回遊、購買などなど))をかき集めて実施しました。
普段やっている統計分析よりも顧客の解像度がめちゃめちゃ上がるので、めちゃめちゃ勉強になりました。
ただ、勉強にしかならないという経験しました。(分析の出口を具体的に考えられてなかった・・・)
アウトプットのクライアントや上司に対しての受けはめちゃくちゃ良くて、たくさんのコメントを頂けます。
一方、知識欲を満たしたい的な要望もたくさんいただき、それにいちいち対応していたら何のために分析しているのかわからなくなってしまいます。
失敗しながらたどり着いた私の出口はトリガー配信、仮説構築、セグメント作成です。
どうやって分析したかの簡単なご説明と、分析の際の注意点もご説明したいと思います。
行動のきっかけをトリガーに活用する
行動ログ(ウェブ回遊、アプリ回遊、購買などなど)を一人のユーザーで見ていると、なんでAという意思決定に至ったのかが見えてきます。
Aという意思決定の直前の行動を見て、その行動が因果関係として解釈可能であればそれをAのトリガー行動とみなします。
そのトリガー行動に対してAという意思決定を誘因するようなプッシュ配信を仕込む形で、示唆をアクションへ活用しました。
ターゲティング配信などよりも効果は出やすかったので、配信系の施策で行き詰っている方がいればトライしてみることを強くお勧めします。
より効率的に施策を量産していくという観点では、見つけたトリガーと類似するようなトリガーも仮説的に作って、一緒に配信して検証することをお勧めします。
検証観点としては、どのトリガーが良いか?AトリガーとBトリガーは独立するか?とかですね。
解像度MAXの情報を仮説構築に活用する
想像に難しくないですが、顧客の解像度がものすごい上がるので仮説構築にめちゃくちゃ有効です。
例えば、Aという商品はなぜ購買されたのか?なぜBというサービスに加入したのか?に対する仮説は行動ログを見ていればポンポン生まれてきます。
何も考えずにぼーっと見ていたとしても、問や仮説が勝手に生まれてきます。
そして、解像度が高い情報を元に考えた仮説は地に足がついていますし、エッジも効いてます。
これを習慣化して定常的に実施していくと、最強のD(データ)戦士になれます。(Z戦士風)
私は習慣化するために2つやってます。参考にしてみてください。
- 金曜日の夜にジンジャエールとポテトチップスをお供に分析する。
➡N1分析は脳への負荷が高いので、心と時間に余裕があるときに実施するのが良いです。 - エクセル化して視認性を上げておく。
➡生のログを見るので、視認性を上げないと辛すぎて習慣化できません。
顧客セグメント作成に活用することもでるが、やめたほうがいいかも
行動ログを見ていくとカスタマージャーニーが見えてくるので、顧客セグメントに落とし込めます。
仮説的に作るよりも実際の顧客行動の動きに即して作れる分、説得力が高いセグメントにはなりやすいです。
が、お勧めはしません。
個人的な意見としては、顧客セグメントは事業管理を意識したものになっていた方が良いです。
とすると、ある程度顧客を抽象化したセグメントである必要があります。(例えばロイヤル顧客、休眠顧客など)
N1分析は解像度をものすごく上げる分析なので、相性が良くないです。
じゃぁ紹介すんなよと言われそうですが、同じ轍を踏まないようにという意味で紹介させていただきました。
分析の際のポイントと注意点
なんとなくですが、分析の際のポイント、注意点を箇条書きで記しておきます。
- 一人をがっつり分析し、(めんどくさがらず)メモを詳細にとっておく。
- メモは抽象化(集団の特徴、集団の傾向みたいな感じ)して書かない。
- 特徴が出そうな顧客セグメント(ロイヤル顧客など)を抽出して分析する。
(ロイヤル顧客じゃないと行動データが豊富にとれない。笑) - 報告にまとめるのが大変なので、資料作成などの時間は多めに見積もる。
- 運用を前提にしてコードは書く、というか運用する。
まとめ
実は分析者たるもの、N1分析は自然な形でやっているはずです。
それは、異常値の要因調査です。(確かに!と思っていただけと信じて説明は省きますね。)
ただ、「リアクション的、一時的」ではなく、「能動的、継続的」にN1分析をすれば、得られるものは膨大です。
生ログやテーブルデータをニヤニヤしながら見てられるのはデータサイエンティストくらいです。
そして、この変態的な趣味が情報格差を作って、ビジネスパーソンとしての自身の強みになっていきます。
また、その強みはデータサイエンティストならではのエッジの利いた提案につながります。
データドリブンでビジネス動きそうな雰囲気出てきましたね。笑
以上、刺さったフレーズと活用についての考察でした。読書でキャリアを開拓しましょう!
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