この本読みました。
レビュー
12人の宇宙飛行士に対してインタビューをまとめた一冊です。
「宇宙体験があなたに何をもたらしたのか?」という問いに対して、各人の幼少期からの人生を紐解きながらその回答の意味を解釈します。
資本主義、キリスト教、競争社会など、そういったキーワードを補助線として宇宙飛行前の各人の思考や行動を分析し、それが宇宙体験を通してどう変わったか、なぜ変わったかに対して考察しています。
印象的だったのは宇宙という物理的に極限まで引いた位置から地球を見ると、社会にはびこっている問題は本当に問題なのであろうか?と問いかけるようなシーンです。
宇宙から見た地球という経験が極限までその人を客観的にしているのではないかと思えました。
刺さったフレーズ
宇宙からはマイナーな物は見えず、本質が見える。表面的な違いはみんな消し飛んで同じものに見える。相違は現象で、本質は同一性である。地表で違う所を見れば、なるほど違うところは違うと思うのにたいして、宇宙から違う所を見ると、なるほど違うところも同じだと思う。
宇宙からの帰還 新版 (中公文庫)
宇宙から地球を眺めればすぐわかることだが、人為的環境汚染より、自然による環境汚染のほうが、量的には凄まじい。たとえば、火山の爆発による大気汚染、大雨が土砂を押し流すことによって生まれる水汚染。
宇宙からの帰還 新版 (中公文庫)
宇宙からみた地球という体験から地球で起きている問題を考察すると、人間の所業などたかが知れているのではないか?という問や、世界は人種・思想に違いあるという前提があるが、本質は同じなのではないか?という、考えに至っています。
- 宇宙という高い位置から地球を空間的な意味で広範囲にとらえたという視野という観点
- スピリチャルな体験として神と同じ目線で見ているという感覚から視座の高さという観点
という地上では得られない圧倒的な視座と視野が、こういった考えに至らしめたのではないかと、私は考えています。
今回は視座の高さというところに着目して考えていきたいのですが、私たちのビジネス活動ではどういう風に言われるかというと・・・
「2つ上の役職を意識して思考すること」という言葉は、なにがしかの媒体を通して触れているのではないかと思います。
「あるある」としては高いレイヤーの人に報告したら、なんでその課題に注目しているんですか?と問われて、答えに窮するというようなことはご経験あるのではないかと思います。
視座が低いまま、プロジェクトを推進しているとこういうことは起きてしまいますよね。
そんな質問がされないように、そんな質問が来ても納得感のある回答ができるように、今回は視座の高さについて考えていきたいです。
一つ目は視座の高い分析をどう実現していくかということを考えます。
二つ目はいかにして鍛えるか?ということを考えます。
KPIを理解して視座を高めよう
結論はKPIの数字、解釈を押さえることになると考えています。
その分析に何の意味があるのか?というニュアンスの質問は、意味がない!と言っているに等しいです。
要するに事業なり部署なりの主要なミッションと照らしたときに、分析アウトプットとミッションがかみ合ってないということです。
ミッションを定量的に表しているのが、KPIですからKPIの構造を抑え、数字の実態を抑え、解釈を抑えれば、数字でミッションを理解できます。
KPIを事業のアウトラインとして理解したうえで、分析をすることで上記のような質問を受けることはありません。
もとい、KPIを意識して分析を計画すると視座の低い状態を改善することができます。
ちなみに、KPIを解釈するそれさえすればいいか?に対して、個人的にはYESという意見です。
解釈ができれば、そのあとのプロセス(例えば、深堀分析、アクション立案、アクション評価など)をどうすべきかは、勝手に思いつきます。
騙されたと思ってやってみてください。笑
※なお、分析経験がそもそも少ないです。という人は足元の課題に徹底的に向き合ってスキル向上に努めてくださいね。この議論はそのあと意識すればいいです。
視座を上げるためには読書がおススメ
前章では分析実務としてという具体的な場面を想像していましたが、分析に限らず抽象的に考えてみます。
今回はこちらのテキストを補助線に考えます。
外資系コンサルの知的生産術~プロだけが知る「99の心得」~ (光文社新書)
私は視座について話しましたが、視点を変える、視野を広げるというのも良いアウトプットをするために重要な観点です。
- 視座とは見る例えば役職などを指していて、高さを上げていくことがポイント
- 視点とはメリ・デメなどものごとの持つ側面を指していて、多角的にみることがポイント
- 視野とは時間・空間の広がりを指していて、範囲を広げることがポイント
本日のテーマである、視座の高さについてもう少し深堀して考えていきます。
視座の高さをどこまで上げればいいか?について、こんな一文が記されています。
ここでいう「もっと高い視座」というのは、社長の視座さえ突き抜けた「革命家の視座」です。この世界を、いまある世界からどのようにして良くしていくか?その計画を実現するために、自分の会社をどう活用できるか?そういった視座に立って仕事をすれば、毎日の仕事の景色もまったく違ったものに見えてくるのではないでしょうか。
資系コンサルの知的生産術~プロだけが知る「99の心得」~ (光文社新書)
か、革命家?ハードル上げすぎだよ。と思いますよね。笑
でも、絶対そんな視座を持つのが無理かというと、読書で鍛えることができるのではないかと考えています。
というのも、本を書いている人はそもそも視座が高い人であると思ってほぼ間違いなく、その人が書いていることを理解すれば、いやでも視座は上がっていくのではないかと考えています。
ビジネス書というのを考えてみると、以下の二つが大別できます。
- 部長級、課長級レイヤーに関しての本(例えば仕事術など)
- 経営者レイヤーに関しての本(例えば経営など)
ビジネス書から読書方針を考えると、、、
- まずは部長・課長級の方々が書いている本を読んでみる
- 内容がしっくり来たら、その方々が著書の中で参照している経営者系の著作を読んでみる
- 内容がしっくり来たら、その方々参照している社会学系の著作を読んでみる
ということを繰り返していると、自然と蓄積されていきます。
読書を始めて最初のころは、なるほど!・知らなかった!目からうろこだ!というような感覚が多いです。
ですが、読んだ著書の数が積みあがってくると、それは知ってる、それは意識してるみたいな場面が増えていって、著作に共感するという感覚になってきます。
それは、視座が上がったということの証左です。
読書始めてみませんか?
まとめ
今回は宇宙体験から以下の2点について考察してみました。
- KPIを意識して分析の視座を高めること
- 読書を通じて視座を高めること
以上、刺さったフレーズと活用についての考察でした。読書でキャリアを開拓しましょう!
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